Lunetta BADA (ルネッタ バダ) という名をご存知でしょうか?
1980年代にサングラスで一世を風靡したブランドです。
当時の吉川晃司、柴田恭平らが愛用してました。
そう、
「モニカ」です。「あぶデカ」です。(歳がバレます。笑)
このブランドの凄いところは、
まだ日本で眼鏡が広くファッションアイテムとして認知される
遥か以前に、日本人デザインにもかかわらず、
強烈な個性を放っていた点です。
(検索かけて頂ければ、ご理解頂けるはず☆)
ブランドはその後、バブルの崩壊とともに・・。
90年代中頃からの眼鏡しか知らない私にとっては、
まさに伝説のブランドなんです。
一昨日、
その伝説のサングラスに初めてお目にかかる機会を得ました!
なんと、切り取った「鼻あて」なんです!
切除後のフレームがこちら。
このBADA、
鼻あての修理でお客さまがお持ち込み下さったものなんです。
しかも、
30年間眠らせていたフレームではなく、
大好きでずっとかけ続けてきたものだそうです。
ここまで劣化し、変色した鼻あてを初めて見ました!!
ですが、鼻あての劣化に比べ、フレーム全体の状態は
とても良好でした。
特に驚いたのが、ブランド名のシルクスクリーン。
未だブランド名がキレイに読み取れます。
本当に良い物とは、
30年使い続けてもこの状態を保持するんですね!!
自然と修理にも気合いが入ってしまいました^^;
ミルフィーユのように層になった生地の為、
色むらが出来る旨は、ご了承頂きました。
特に珍しい修理事例なので、もう2点付け加えます。
1点目、
当初、”鼻盛り”として新しい鼻あてへの交換を希望されていた
のですが、フレームの形状とお客さまの鼻筋を見比べた上で、
あえて鼻あてを付けず、表面を滑らかにしてこのままの状態で
掛けて頂くことをご提案しました。
鼻あてを付けることによって、掛け位置が上がり過ぎたり、
前に出っ張り過ぎたりすることもあるんです。
アジア人の骨格からすると、とても珍しいケースですが☆
2点目、
通常ですと削り取った後、専用の機械で磨きをかけます。
ですが今回は30年経過した全体の質感と異なってしまう為
あえて目の細かいヤスリをかけた状態を仕上げとしました。
今回、伝説のサングラスに出会えただけでもテンションが
上がったのに、さらに嬉しいことがありました。
お持ち頂いたお客さま、横浜の方なんです。
以前からここのブログをチェックして下さっていたそうで、
この3連休の北海道旅行に合わせてお越し下さいました。
そして、このBADAにまつわるエピソードがまた素敵でした。
高校を卒業後、初めてバイトして得たお金で、当時としては
ちょっと背伸びして買った、
そんな思い出のサングラスだそうです。
しかも、この程度の私の仕事でも、お連れの方とご一緒に
とても喜んでお帰りになられました。
頂いた代金は500円です。
ですが、ご覧の通り、お金には代えられない、
とてもとても気持ちのいい仕事をさせて頂きました。
ありがとうございました!
ここ最近、修理の仕事を受けながら感じることがあります。
物を大切にする人は、人間関係も大切にする。
そんな気がしてなりません。^^
BADAを愛してくれてありがとうございます。
私もそろそろ50になる者ですが、当時原宿のバダに入り浸っておりました。私の兄貴分が店長をしており、その親戚の方がBADAを立ち上げたのです
代官山にあったと思います。その後石川県の大手に飲み込まれ、ルネッタの冠をつけて復活?
つい、検索してみたら、嬉しいことが書いてあったのでコメントしてしまいました。
BADAの歴史の立会い人。さま
コメントありがとうございます!
そんな経緯があったのですねぇ。
私個人の思いなのですが、
昨今のヴィンテージブームで見受けるような表面的なデザインを追うよりも、
当時の文化・それを生み出した空気感にこそより価値があり、それを習い今に反映させていくべきでは、と感じます。
機会あれば詳しいお話お聞きしたいです。^^